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by moriko_2011

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【部活の友人・ナオミ 】【1年目】 理系女子に「研究職」について聞いてみる(3/3)

森:さっきの色の話ってさ、「微妙にこういう色じゃないんだよな、この質感もちょっと違うんだよな」みたいなのを、ナオミは「これをこうしたらこうできます」ってのがわかるんだ。

ナ:うん、たぶん分かる。

森:すごーい。

ナ:私みたいな新米だと、学会とか同業者から質問されるような経験はまだないんだけど、うちのベテラン研究者とか売れっ子研究者は、「貴方の論文を読んだのですが、あの物質を作る方法を教えてください」とか質問されてるよ。

森:研究者も売れっ子とかあるの?

ナ:あるんだよーあるんだよー。研究者はけっこう売れっ子とかあるよ!

森:そうなの?

ナ:うん。

森:別会社でもこの人は●●の研究で有名とか?

ナ:あるある。まず特許とか論文で、その人の研究の内容とか質とか頭のよさってだいたいわかるじゃんね。ちゃんと調べたらだけど。興味持って、その人の名前で論文とか調べたらだいたいわかるんだよね。ばれちゃうんだよねー、レベルが。

森:笑。ばれちゃうの。論文ってデーターベースみたいなのがあるんだっけ?

ナ:論文は…購読っていうか、アカウントをとってれば学術雑誌を自由に見られるの。雑誌には、インパクトファクター(自然科学・社会科学分野の学術雑誌を対象として、その雑誌の影響度を測る指標)ってのがついてて、論文が超有名雑誌に通って掲載されたってなったら「すごいね」ってなるの。だから研究者の場合は、どこの雑誌にいつ、いくつ論文が載ったっていうのが、履歴書代わりになるの。論文もそんなにいっぱい通ってないし、名高いところに出してないってなると、「あ、しょぼいな」って(思われる)。

森:へー。目に見える実力社会なんだね。

ナ:ずっと開発とかしてれば、オープンにはできない秘密事項の研究をやってるってことで「開発をずっとやってました」っていう風にも言えるんだけど。売れっ子研究者にはさ、相談の指名とかもすごい来るんだよね。

森:ナオミさん、どうしたらいいっすか?

ナ:いつかそうやって来てほしい(笑)。

森:部署内とか身近に売れっ子研究者はいる?

ナ:いるいる。私の横に座っている御年55歳Mさんは売れっ子ですよ。

森:御年55歳(笑)。

ナ:しかもさ、頭いいからさ、説明もわかりやすいんだよね。

森:ああー。頭いい人は説明わかりやすいってのはすごく分かる。ちゃんと理解しているからこそ、こういう説明ができるんだなって思う。

ナ:その人さ、隣に座ってるからさ、たまにクイズとか出してくるんだよね。

森:かわいい。仲良し?

ナ:すごい仲良し。朝から晩までMさんとしゃべって帰ってくるからね。楽しいよ。

森:笑。

ナ:日食あったじゃん。Mさんがよくタイムリーな天体系の話とかをするんだけど。日食グラスで見る光って、太陽の光を十万分の一に減光して見てるんだって。その「十万分の一に減光してる理由はなーんだ?」ってクイズを出題してきた。

森:なにそれかわいい。いいね、素敵な職場だ。

ナ:その十万分の一の光の問題わかんなかったからさ、Mさんが帰るときに答えを聞いたら、「え、でももう帰るから、じゃあヒントね。太陽が、太陽一個分動くのに何時間必要だ?」って言われて、「え?それがヒント?わかんないぞ?」と思って。「角度から考えると15分ぐらいかな」ってあんま考えずに言ったら、Mさんは(ジェスチャーつきで大変かわいく)「答えは2分!そこを考えると十万分の一の理由もわかるよ」って言って帰っていった。

森:へー!太陽が一個分動くのにかかる時間って、2分なんだ。

ナ:で、答えなんだけど、その2分をもとに考えると、360度全部の空を太陽で埋め尽くしたとしたら、太陽十万個分なんだって。太陽は今1個じゃん。太陽の光で周りの風景を見てるわけだけどまぶしくないじゃん。まったくの曇り空だったら空見てもまぶしくないじゃん。

森:うん。

ナ:全空のうちの1個分の太陽の光、つまり十万分の一の光だったらまぶしくない。だから太陽そのものを観るときも十万分の一に減光したらまぶしくないってことらしい。Mさんクイズ高度だよね。

森:すごい。そういうのぱぱぱぱってイメージで分かる人ってすごいよね。私とか整理しないとわかんないもん、えーっと太陽と地球の距離が…って。

インタビューでは途中の説明をかなり端折っているので、きちんとした説明で腑に落ち!したいからはこちらをご覧ください。なるほどねー!高度だMさんクイズ。
http://tenkyo.net/kaiho/pdf/2012_03/2012-03-08.pdf

ナ:会社に入ってからそういう人に出会って、「あ、もっと勉強しないとまずかった!」って思っても、もう遅いんだよね。

森:そうなの(笑)? 脳の衰えとかそういうこと?

ナ:もう限界…(笑)。

森:でも研究を続けていったら知識は増えていく感じ?

ナ:うん、増えていくと思う。マイナーどころにずっと根をおろしていったら、重鎮化できるんじゃないかと思ってる。

森:笑。今まで、仕事で何個ぐらい研究やったの?

ナ:まだ完了したのないよ。今、4テーマ動いてるけど、3年経っても、まだ完了しそうなのもない。

森:へー。

ナ:それは私が遅いからかもしれんけど。

森:でもそれぐらいのスパンでやるものなんだ。研究するモノによる?

ナ:モノによる。機械系とか、半導体とか電子系とかはもっと早いのかもだけど、材料系って本当に新しいものが出てこないと完了しないね。「ブレイクスルー」って言うんだけど。ブレイクスルーを迎えないと完了はできないね。

森:ブレイクスルーするときは、ある日突然「来た!」ってなるの?

ナ:わかんないねー。ブレイクスルーきたことないから。

森:でも修士論文のやつはきたんじゃないの?

ナ:修論のやつは「これ新しいな」とは思ったけど、もしかしらもう報告されてるかもしれないし、全然新しくないかもしんないから、いろいろ調べてこれは説明できそうってなったときに、

森:きた!

ナ:(ブレイクスルーというよりは)「おお、これで卒業できそうだ…(安堵)」みたいな。

森:修士課程って、みんな何らかの発見をして卒業していくの?

ナ:みんな世の中に無い研究に取り組むから、結果がすごいってことじゃなくても、「新しいことに取り組んだ結果こうでした」って言って卒業していく。

森:じゃあナオミは、うまいこと最後の最後に。

ナ:本当によかった。

森:発見もともなって。

ナ:卒業できて本当によかったー!

森:修論はけっこうせっぱ詰まってたの?

ナ:うん。

森:どんな感じ?

ナ:一年半ぐらいやってることつまんなくて。しかもやってることは、誰かの、他のグループの後追い?取り組むことも他の人とは違う風にすればいいんだけどさ、やっぱ流行ってる分野ってみんなちょっとかぶってんだよね。修論ではけっこう「どこが新しいの?」とか聞かれちゃう人もいて。私がもともとやってたのは「ちょっとかぶってるんじゃない?」って言われちゃう感じの内容だったから、それで卒業するのちょっとつまんないな、なんかないのかなって思ってて。

森:そしたら実験でたまたま。さすが「何か持ってる」女子! 大学の研究室の仲間たちは、みんな研究所とかに就職してるの?

ナ:化学メーカーとか機械メーカーとかの研究職に行ったね。

森:全然違う職に就く人もいるの?

ナ:他の研究室だとけっこういるっぽいよ。文転していく人もいるし、工場で生産管理とかしてる人もいるし。

森:じゃあ、研究職に就ける人ってけっこう限られてんだ。

ナ:工学部だとなりたい職業として最初にイメージしやすいのが研究職なんかな。そうなると人気度も高くなるんじゃないかと思ってるんだけど。

森:異業種の研究職とかと話すと、え?みたいなことあったりする?

ナ:あーやっぱり世界が違う。うちだと、研究所内に機械系の研究職もいるんだけど。話聞いてるとさ、本当にせっぱつまっててさ。

森:そうなの?

ナ:機械系ってさ、けっこう予定が立てれるんだって。何ヶ月でこれを完了して、次の何ヶ月でこれを完了してって。けっこうその通りにいくから、研究がその通りにいかんかったら研究者ががんばってないって感じになる。材料系は何か発見がないとその物性は出ないし性能がいいものができないから。できないものはしょうがないから、みたいな。あ、ごめん。この発言、私だけかもしれん!

森:笑。

ナ:でも、しょうがないよね。改ざんしてもしょうがないもんね。そうやって言うと、「だらだらしてていいよね」って言われる(笑)。

森:違うんだよ、やることはちゃんとやってんだよって。ナオミは、こういう発見をできるといいなとかあったりする?

ナ:海外旅行とか行って、本体の会社の製品を街中で見かけるじゃん。あれにあたしの(研究がもとになった)材料が実際に使われてんだなって思ったら楽しいよね、たぶん。自分のアイデアを具現化させてくみたいな研究のほうがすばらしいっていう考えが、たぶん研究所内にはあるんだけど、私は本体の会社の仕事でも、自分が開発したものがのって世界中で使われるんだったらいいかなって思うんだけど、まーそんなもんないよね。出てこないよね。

森:笑。これから何があるかわなんないよ(笑)。

ナ:うちの母親は、私の仕事よくわかってないから、次製品の提案とか、最終製品のクレームとかを私に言ってくるのね。もうちょっと明るい色が欲しいとか、もう少しマットな質感がいいとか。色の種類とか質感って、そんなに選択肢欲しいとか選びたいって思う?

森:思う思う!

ナ:それさ、森が感度がいいからじゃない?

森:そうか?

ナ:私、ちょっと真剣に考えてみたんだけど。私はたぶん平凡でセンスがないほうだと思うの。

森:そんなことはないと思うけど。

ナ:そういう人からすると、例えばね、家の注文住宅とかあるじゃん。取っ手も窓も部屋の配置も全部選べますってなったら、選びきれないじゃん。

森:ああ。

ナ:結局モデルルームに似たような感じになるじゃん。推奨とかオススメとかでつくったら結局建て売りと一緒だったってなるじゃん、平凡な人って。だからね、大衆にウケようと思ったらね、色とか質感が自由に選べますっていうより、もう決まった色だけでいいんじゃないかなって思うんだよね。だってね、100色の絵具と、99種類のラメがあるとするとそれだけでもう10000種類だよ。さらに質感も選べるとなると・・・。平凡な人には選びきれないよ。

森:ああ。でもその人の好きな感じとかを聞いて、(その情報をもとにシステムとかで)どんどん絞り込んでいっちゃうようにすれば、それが、まあ、結果としては今ある感じのオーソドックスなものを選ばはるかもしれないけど、選ぶ過程があるのはいいような気がする。

ナ:「私色」みたいな。

森:なんだろう、自分で選んでる過程があるところがいいのかな。で、実際に本当に好みのものをどんぴしゃで選べたらさらにいいんだろうけど。

ナ:ああ。そういう風に色を選んで楽しい製品とかある?

森:携帯とか?パントーンとか出てたじゃん。

ナ:そうなんだよね。私、あんまお客さん目線とかないからさ。iPhoneだってみんな二色で満足してるじゃん!とか思っちゃうんだよね。

森:そりゃーそうだね、たしかに。iPhoneみたいにもう圧倒的な素材とかだったら、わざわざ色や質感のカスタマイズとか要らないかもね。でもみんなカバーでカスタマイズしてるか。

ナ:圧倒的なやつ(素材)、ほしいんですよね。でも、「私色」についてもちょっと真剣に考えてみるよ。


「これから8年だったら婚活レポのほうがおもしろネタ豊富だと思う!」と断言していたナオミは、インタビューの中で、「うちらがいざバブル世代に生まれててもさ、バブル世代の勝ち組にはなってないと思うんだよね。扇子とか買わないから。」という冷静かつ的確な分析をしていました。それ、間違いないね。

長い付き合いなものの、ナオミとまじめな話をしたのは初めてな気がします。私の知らない彼女の世界を、いつもどおりおちゃらけながらもいろいろと話してくれる姿はなかなか新鮮でした。あと、Mさんのモノマネとともに聞いた日食グラスの話はとてもおもしろかったよ!

しかし、いつも二人で会う度にお腹を抱えて笑っていたけど、何を話していたのか全く覚えていません(笑)。いつもは何を話してたんだろう、謎です。次回は研究のその後とオススメの婚活ネタについて聞いてみようかな。これからもどうぞよろしく!
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by moriko_2011 | 2013-09-01 23:56 | 07_部活の友人・ナオミ

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