趣味の、長期ゆるゆるインタビュー企画です。 


by moriko_2011

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【コマドリスト・泰人さん】【1年目】 コマドリストの生態について聞いてみる(3/3)

森:ギミックは、こんなん撮りたいわ!ってポンっと浮かんでくる感じですか。

泰:うん、そういうのもある。そういうのもあるし、最初っからいいものがぱっと思いつかなくて、これはもしかしたらちょっとおもしろいかもっていう小さなアイデアがあって、それをいじくり倒すというか。これ単体だとつまんないけど、これにこれを足したらおもしろいかもとか、これはこっちと置き換えたらいいかもとか。っていうのをずっと考えてると、そのうち、「あ、これだったらいいかも!たぶんおもしろいわ!」みたいなのが出てくるかな。だから一つのアイデアに対して、たくさん派生するアイデアをばーっと出し続けるね。

森:取捨選択の過程を経ていいアイデアが出てくる。

泰:最初っからすごくいいアイデアが出ちゃう場合もあるっちゃあるけど、それもその前にひたすら考えてる期間があるから思いつくんだと思う。やっぱり考えてないとアイデアは出てこないと思ってて。僕の場合は、考えようと思った瞬間に考えられる。何か別に他のことをしてるときは、アイデアってめったに出ないね。

森:ほーう。それすごいですね!

泰:例えば美術館とか展示とかを観てて、「あ、ちょっと待った、これコマ撮りになんないかな?」って思考モードに入って、しばらく考えてまた元に戻るとか。

森:ああ、そっちでよかったです。私、時間をとって「よし、考えるぞ」って考えはじめるという話かと思いました。

泰:あ、でもそういうときもある。むしろ、そっちが多い。

森:へー!すごい。いつもちゃんとアイデアが出てきます?

泰:思いつかない期間がめちゃくちゃ長い。仕事で期間が決まってるときってけっきょく後のほうになって決め手のアイデアを出すことになるんだけど、それまでに無駄なアイデアを出す期間が僕は要るのよね。考えようと思ってる期間っていうか。あと僕はよく電車のなかでアイデアを出すんだけど。

森:わたしはお風呂です。電車でもけっこう出ますけど、考えようっていう状態よりも、あまり意識しないでいる状態のときにふとアイデアが降りてくることが多いですね。

泰:電車は一番何にもしなくて済むから。だからメモ帳をずっと持ってる。ぽつぽつとアイデアが出てきて、それがいいアイデアになったかどうかはまたわかんないけどね。でもそのときはよし考えよう!って考えてて。考えようと思わないときはツイッター見てたりするし。でも、考えても出ないパターンもあって。僕の場合、実際にあるものを使うことが多いからさ、モノをみてるときに出るアイデアのがいいんだよね。

森:実際にモノを手にしてるから。

泰:そう。コーヒーカップで何かやろうと思ったら、コーヒーカップを手に持ってて、こうなりそうだなとかテーブルとかに置いたときに、あ!こういう見えかたはかわいいかもな、とか、頭のなかで考えててもわかんなかったりとか、頭のなかで考えてたことを実際にやってみると、別にそうでもなかったりとか。あ、こういう風には見えないんだなとか。そういう場合はモノを見てアイデアを考えてるよね。

森:いつぞやの泰人さんの日記で、髪を切って、納品して、みたいなすごく短い日記があったじゃないですか。

泰:ああ。納品して髪切って、献血行ってってやつ。

森:あの感覚、すごくわかるなと思って。

泰:「仕事を1つ納品した。次の日に床屋で髪を切って、献血に行った。髪を手放して、血を手放して、アイデアを手放した。」最近、モノを捨てるのが好きで。モノを捨てるから部屋がすっきりするし、新しいものを買うことができるし。情報は情報を発信しているところに集まってくるって言葉もあるし。アイデアって頭のなかでずっとぐるぐるさせてると便秘になってしまうので、定期的に排泄しないといけないなと思っていて。だから、作品をつくる行為ってやっぱ捨てる行為に近い気がしてるんだよね。自分のからだ、頭のなかにあるものを外に出して手放してしまう。つくるからそのアイデアについてもう考えないで済むんだよね。もうこれについてうだうだ悩まなくていいやって。そうすると次のことを考えられるようになる。それってやっぱり捨てたからスペースが空いて新しく入れられるってことだし。

森:アイデアを手放すのはわりとポジティブなイメージなんですか。

泰:そうだね。全然悪くない。

森:アイデアが出なくなったらどうしよう?とか思います?

泰:あんまし思わない。本当にアイデアが出なくなったら、職業変えると思ってるし。あと、考えてアイデアを出すっていう意識でいるから、考えればアイデアは出るって思ってはいる。まあそれも出なくなるかもしれないけど。

森:おお、それは理系の強さやなと思いますよ。

泰:ああ、そういうことかも。アイデアの出し方も理詰めなのかもしれなくって、組み立てれば絶対なにか形になると思ってて。あとはね、どんなアイデアも調理しだいだと思ってて。個性もかな。個性もアイデアも食材だとするじゃん。それぞれのおいしさがあるでしょ。それぞれの食材に適した調理方法があって。焼いたほうがいいのか煮たほうがいいのか、生のほうがいいのか、和風なのか洋風なのか中華なのか?っていう落としどころさえ確実に見つけ出していれば、それで調理してやれば、変な味の食材があったとしても、たぶん作品としてまとまってみんな納得がいくと思うんだよね。どんな味の変な食材でもなんとかなるんじゃないかな。つくった料理がどれぐらいの人間にウケるかはまたわからない話だけど。それに、最適な調理法を見つけるのが大変なんだろうけど。

森:笑。

泰:でもプレゼンの問題の気もするんだよね。「これはこういう料理です」って言ってから食べてもらう。『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木先生の画集か何かに載っていたイタリア紀行の話で、「イタリア料理とは臭みを楽しむ料理だ」って書いてあって。チーズとかのことだと思うんだけど、そのときに、「あ、そうなんだ!」って思ったら、ブルーチーズとかの変な味とか臭さとか楽しめるようになったんよ。

森:ほう。

泰:「これはこうやって楽しみましょう」って言われて、それが納得できればどんなまずい食材も食べられる気がするんよね。

森:アイデアも同じく。

泰:たとえば『オオカミとブタ』に対して、「ストーリーがないじゃないか」って言われても困る訳じゃん。早い段階で「これはストーリーじゃなくて写真を使ったコマ撮りという手法を楽しむ映像なんですよっ」て言っとかなきゃいけないわけよ。そのプレゼンさえうまくいけば、ダメなものもダメじゃなくなると、期待したい。

森:期待したい(笑)。願望!

泰:でもプレゼンがうまい時点で、その人は本当に頭がいい、作品づくりのうまい人だから、つくってる作品がおもしろくないはずがない。

森:他人のアイデアだったらどうします?他人のアイデアをプロデュースしてよみたいな依頼がきたりして。

泰:それもいいんじゃない。仕事だったら特に。仕事じゃなかったらなんかもやもやするかもしれないけど。いや、もやもやはしないか、別に。それがちゃんと尊敬できるいいアイデアだったら。でも自分が好きじゃないと思っちゃったら、その良さをプロデュースするのは大変だよね。

森:大変ですよね。

泰:嘘をつけばいいのかもしれないけどさ。

森:仕事でありますけどね。いや、どうなの?っていうの。ええ!みたいな会社からオファーがあったらどうします?

泰:本当にダメだったら断るとは思う。でも、もしギャラがよかったらお金のためにそれは仕事すると思います。

森:笑。正直!

泰:お金は欲しいですから。でも、絶対にできないと思っているものはあるっちゃある。…動物愛護団体、はできない。

森:へー!

泰:これは嫌われてもいいから言っとくけど、僕は動物を愛護しようって思ってない。

森:動物キャラはよく使うけど。

泰:動物は好きなんだけど。ただ、僕は豚肉も牛肉も鶏も食べるし、魚も踊り食いだってたぶん食べたこともあるし。人間ってひどい生き物だなって思いながらおいしいって思って生きてるので、動物の愛護はできないんですよ。

森:パンダのマークの某団体からオファーが来たらそれは無理って断る。

泰:すみませんが、さすがにそれは信条的に無理ですって。なぜならわたしは動物を食べて生きているので。動物園だって全然平気で見に行くし。あんなせまいところに入れられてね。水族館だって大好きでけっこうな数まわってるし。あんなせまい水槽に入れられてね。人間の満足を満たすためだけに同じとこをぐるぐるまわっててさ。ひどいなーって思ってるわけですよ。思ってるけど、思いながらそれを肯定してるもんね。

森:そんなポリシーがあるとは思いもよらずでした。8年後には信条も変ってたりして。

泰:変ってるかもね。出家とかしてるかもね。

森:いやーわかんないですよね。わたしたちの今の年代って、こっからは自分で変えていかないとどうにも変らない感じの8年やなと思っていて。これまでは、高校行ったり、大学行ったり、就職したり、自動的に環境が変っていったけど。だから、8年でみんなどんな風になっていくんやろーと思って。

泰:そうね。自分で変えていかないとね、いけないから。まあそれが大人ってことだと思っているんですが。出会いとか自分でつくんないといけないし。

森:コネも!

泰:そうそう、コネも転職も自分で動かないといけないし。

森:ほんまですねー。…ぼちぼち1時間ぐらい経ってるので、インタビューはこんぐらいにしときましょか。もっといろいろ話したい気もしますが、ひとまず今年はこんなもんで。どうもありがとうございました!

泰:はーい、ありがとうございました。


アイデアの便秘の話を聞いて、やっぱりこの人はおもしろいし、強いなぁと思いました。泰人さんは私と同じ年で、同じ愛知県の出身です。たぶん、大学の環境もけっこう似ていて、バックボーンに共通点が多いのかなと勝手に思っています。でも、考え方や見ているものはおそらく全然違っていて、ときどき、自分のなかにはないけれど共感というかすとんと納得できることを、作品や会話のなかで与えてくれるのがとても心地よいです。

そんなわけで、次回作も、今後の8年(わたしが原稿寝かせすぎたからもう7年か!)もとても楽しみです。お互いどんな作品をつくって、そして、どうなっていくのかしら。今後もどうぞよろしくお願いします!

竹内泰人公式サイト「無重力とザクロドクロ」 http://dokugyunyu.boo.jp/ 
竹内泰人YouTubeチャンネル http://www.youtube.com/user/dokugyunyu
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by moriko_2011 | 2013-04-18 00:20 | 06_コマドリスト・泰人さん

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