趣味の、長期ゆるゆるインタビュー企画です。 


by moriko_2011

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【コマドリスト・泰人さん】【1年目】 コマドリストの生態について聞いてみる(1/3)

『オオカミはブタを食べようと思った。』(以下『オオカミとブタ』)がYouTubeで話題になり、現在は映像作家として活躍する竹内泰人さんコマ撮りの本も出版してはります!)。わたしの一方的なおっかけ(?)から交流が始まり、なぜか現在もヒポポタマスのメンバーともども仲良くしていただいています。

『オオカミとブタ』を見て「このひとの空間の捉え方、すごーい!」と感動したわたしは、彼のサイトに掲載されていた、頭のなかで考えてることをぽこっと取り出しました!という感じの日記を読んで、さらにファンになりました。すごい作品をつくるのに、ものすごく素直な文章(笑)。たまにふっと現れる、独特の視点を出発点としたロジカルな考え方やポリシーがおもしろいです。

同世代の作り手としてあらためてお話を聞いてみたかったので、ちょうど1年前の2012年の4月ごろ、「いただきまーす!」と、梅田の地下であつあつの鉄板オムライスを食べながらゆるく話していただきました。


森:このインタビュー、なんで8年なん?ってつっこまれるんですけどね。

泰人さん(以下、泰):ああ、まあね。

森:いや、わたしがちょうど35歳になるからって。

泰:8年にするのはいいんだけど、35歳はなんの数字なん?

森:え?きりがよくないですか?(わたしは5の倍数はきりがよいと思っています)

泰:まあねー…でもぼくはそこらへんが分かんない。35歳で人生いろいろ一区切りっていうか転機があるって話をさんざんいろいろ聞くんだけど、そうでもなさそうな気がするんだよな。まあ、あるかもしれないけどね。

森:けっこうあっという間な気がするんですけどね、8年。

泰:うん、だろうね。

森:あれーっていう間に過ぎて。だって8年前なにしてました?

泰:20歳だよね、今28歳だから。数えやすいね。えーっとね、20歳でしょ…

(思い出そうとしながら、なぜか苦笑い)

森:なんでそんな苦笑いなんですか?笑

泰:いや。大学生で、3回生になるときか。その時期はバグプロジェクトっていうサークルをやってて。

森:ほう。

泰:TV番組の体裁をとって映像をつくってて、スカパー110っていうチャンネルで実際に放送させてもらってたの。すごいマイナーチャンネルだから観た人が何人いるかわからんようなとこだけど。毎月30分のテープを納品して、1ヶ月の間で深夜に何回か放送させてもらってたのね。メンバーのなかでスカパーに加入しているやつがひとりもいないもんだから、誰も放送を見たことがなかったけど。

森:納品テープはあるけど、幻の放送(笑)

泰:新番組は1月スタートなので、そのサークルの世代交代は2年生の12月前にあるのね。11月にうちらの代で、新しい番組名で新番組をつくって。『賑やかな缶』っていう缶のコマ撮りを最初に撮ったのがそのとき。

森:コマ撮りの作品って授業の課題とかじゃないんですか?

泰:じゃない。僕、大学時代に授業の課題でつくった作品1個もないんだよね。全部サークルか趣味でつくってた。その次につくったコマ撮りの『黒と白の連続』は5月に撮ったはず。だから、その少し前ぐらいだね。8年前の4月は。

森:へー。ちょうどコマ撮りスタートな時期!なんか偶然。
(ちなみにわたしのやっているヒポポタマスも2006年春に結成なので、同じぐらい)

泰:あー。ってことは8年(コマ撮り)やってきたんか。

森:なんでコマ撮りしようと思ったんですか?

泰:理由はいくつかあって。一番は、一番はね…

森:『賑やかな缶』が最初の作品?

泰:コマ撮りでは最初。その前には、アニメっていうほどアニメじゃなくて、書いたイラストをアフターエフェクトで移動させるだけみたいな、モーショングラフィックスとかに近いのを2つぐらいつくってて。その後、実写のコマ撮りをはじめて。はじめた理由は「全部一人でできるから」ってのが一番大きいかな。

森:笑。

泰:サークルに入ったときにメンバーが全然足んなかったの。

森:何人ぐらいですか?

泰:最初ね、5人か6人だった。

森:その人数で毎月30分1本?

泰:オープニングエンディング合わせてだけど。大概は、1チームが10分~15分ぐらいのショートムービーを撮って、あとは自主制作でアニメつくったのを合わせたり、バラエティっぽいことやったりして30分にするんだけど。そのなかで、とりあえず僕が一人で5分の作品をつくってくるって言って。

森:泰人さん枠が。

泰:で、コマ撮りだったら撮影も準備も編集も一人でやれる。ショートムービーだと、役者とかカメラマンとかいっぱい人が要るからさ。最初につくった『賑やかな缶』は、人形をつくるんだったら時間がかかるけど、缶だったらゴミ箱から拾ってくればいいっって。

森:たしかに(笑)

泰:これはすぐできる!と分かってて、というか、すぐできるものを考えて。効果音集のCDとかも持ってたから、これと缶の動きを合わせればコンテンツになるだろうと思ってアイデアをばーっと出して。学校のゴミ捨て場から缶がたくさん入ってるゴミ袋を出してきて、同じ種類の缶を探してきて、水洗いして、とかそういうことやってた。

森:もともと、映像がやりたかった?

泰:えーっとね、映像をつくろうと思ったのは大学に入ってからで。ぼくらの時代だと、大学に入学してからPC持ち始めるやつが多かったでしょ。高校生とか中学生から使ってたやつもいたけど、僕は大学に入るまではPCでなにができるかとか全然知らなかったし。大学に入ったら先輩たちがPCで映像をつくってて、3DCGとかですごいかっこいい作品をつくってる人もいたりして、「こんなかっこいい、おもしろいアニメが個人で制作できるんだ!」って1年生のときに目をキラキラさせるわけですけど。PCを買って、別の学科で少しだけあった映像編集ソフトの授業にもぐりこんで、1年生の終わりにはじめて映像をつくって。で、2年生のときに2個ぐらい作品をつくって。で、3年生になる前に缶のコマ撮りを始めて。

森:『オオカミとブタ』はサークルの活動とは別なんですか?

泰:3年生の12月前にサークルの世代交代がくるから、そこでサークルは抜けて。4年生になってから『オオカミとブタ』を考え始めて。僕は、大学は九州芸術工科大学(以下、芸工)っていう福岡の大学に行って、院は武蔵野美術大学(以下、ムサビ)の映像学科の院に行ったんだけど。『オオカミとブタ』はね、ムサビの院試で作品提出するからそれに向けてつくろうかなと思ったの。そしたら全然間に合わなくて。かなり早い段階でこれ間に合わないなってわかってて。だから院試の面接で、院に入ったらこういう作品つくろうと思いますって言って『オオカミとブタ』の説明をした。写真を使ったアニメーションを今、考えててって。撮影は大学4年生の3月までやってて、編集は院に行ってからの4月からスタートさせて。だから、コンテストとかに映像を出したときの僕の肩書きはムサビの院生なんだけど、映像のなかには明らかに九州の風景が写ってて。西鉄電車とか走ってて。

森:ムサビの院に行こうって決めたのはいつごろ?

泰:大学4年生になってから就職するか院に行くかってなって、僕は院にいきたいって思ってて。親もそれは許してくれてて。でも、芸工の院にそのまま行くのは嫌だなと思ってて。

森:それは専攻できるジャンルがちょっと違うからですか?

泰:いや。僕、4年生のときはプログラミングの研究をやってて、でも映像制作がしたかったから、それもあるけど。もうちょっと交流を広くしたいと思ったの。芸工大はすごく小さい学校で、全部で5学科あるんだけど、4年生になるころにはたいがいの人と友達となれるの。キャンパスも小さいもんだから、知らない人でも、あ、見たことあります、みたいな。そのまんま院に行っても友達増えないなと思ったの(笑)

森:笑。

泰:もっと違う人たちに会いたいというのと、あと、特にアートとして映像をやっている人たちと知り合いたいと思って。芸工大は別にアート色が強くなくて、アート色がないわけじゃないけど、もうちょっと工学的というか。芸術と工学を合わせて芸術工科大学にした大学なので。

森:うちの大学もそんな感じでしたよ。「科学と芸術の出会い」が大学のテーマだった気がする。

泰:その思想はすごくいいと思うんだけど、どっちかっていうかデザイナー寄りだよね。言うなれば、完全な美大生に会ってみたいっていう。で、映像学科の院があるところを調べて、ムサビがおもしろそうだったからムサビに行って。

森:やっぱり、大学と院と全然違いました?

泰:学校の雰囲気でいえばね、全然一緒だった。生徒の雰囲気とかもだいたい一緒。でも芸工のほうが、入試のときに学科試験、勉強の割合がすごく高くて、単純に頭のいいやつらがくる割合が高いのよ。頭がいいのにアートみたいなことやってるやつらのが変なのが多い。賢くてバカなことやってるから。

森:笑。捨て身ですもんね。

泰:純粋に最初っから変なやつらは、むしろほほえましいぐらいで。賢いのに変なことやるやつらのほうが、ちょっとキャラが濃いよね。おかしい(笑)。でも雰囲気は似てるなと思った。たいして変わりないなって。別にムサビの人たちがバカだったとかいうわけじゃないんだけどね。

森:笑。なんとなくわかりますよ。いろんなことを考えて考えて、ここにたどり着くのかこの人たちは…みたいな。

泰:そうそう。妙に理屈っぽかったりね。直感でやってるけど理屈っぽかったり。その裏打ちされた理論でしゃべられるとこわいよね。

森:笑。わたしは大学でデザインを学んだので、作品の意図とかを聞かれたらちゃんと理論でも説明できるようにってのは意識しますね。

泰:大学4年生のときに卒業制作をつくったり卒論を書かなきゃいけなくて。うちの大学もデザイン系だったから、映像作品をつくったとしても何でそれをつくったかっていう説明をちゃんとしないといけなくて。時代とか歴史とかがあって、今これが必要とされてるからとか言って。先輩たちで多かったのは、アニメ作品をつくるんだけど、市の観光アピールのためとか。なにかしらちゃんと社会とのつながりをつくんなきゃいけなくて。なんかやっぱりむりくり理由も作品もつくってる印象があってさ。

森:ええ。

泰:僕は「単純におもしろいと思ったからつくったんです」以外の説明がしたくない人だったので。卒業制作で自分の作品をつくって論文書くのは絶対いやだと思ったの。それで、4年生のときは画像工学のプログラミングをやってるゼミに入って。プログラミングはプログラミングの時代背景がしっかりあるし、こういう仕組みでつくりましたっていうプログラミングの説明をずーっと書いたら論文は完成するんよ。これだったら全然納得して作業しやすい!と(思って)。

森:目的とアウトプットがちゃんと合っていると。

泰:そうそう。別にプログラミングは好きだったから。そこで1年間、先生の指示のもと、先生がつくりたいと思ったプログラミングを僕がしますって言ってプログラミングをしてた。

森:笑。自分のつくりたいっていうものと、デザインの課題としてアウトプットするものってやっぱりギャップがありますよね。

泰:だから、僕、学校の課題はあんまし好きでもなかったのかな。だって、おもしろいものって理屈抜きにおもしろいって言いたいし。それが課題のテーマとずれてると課題としてはダメじゃん。そういうズレ、めんどうくさいなーって(笑)。あくまでデザイナーではなかったんですけど。デザイナーはそこをリンクさせる技術がいるんと思うんですけど。

森:わたしは、別物な感じで考えてましたね。デザイナーとしてつくるものは、自由解答のテストの解答みたいな。

泰:うんうん!

森:それはそれでなんかまあおもしろい。お客さんと一緒に(問題を)解く。で、自分が得意なところが、形をつくったり、色を考えたりとかいうところやからその技術を使うっていう。

泰:そうやって最初から課題があったうえでつくることは僕もやるんだけど。今、仕事でクライアントがあるところからスタートして映像考えたりするのことも多いし。自分がぽんっと思いついちゃったものに対して、むりやりあとから理由づけするのは無理って思った。

森:ああ。


なるほど、だから彼の作品はいやらしさがないんだなと思ったところで、その2へと続きます。
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by moriko_2011 | 2013-04-18 00:02 | 06_コマドリスト・泰人さん

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